「僕だけしか知らない話」

おっ今日は虫の話かな、、、
虫はちょっと苦手だな、、なんだかなんとも言えない気持ち悪さがね、みんなは触れたりするのかな、

第三話 蝉の抜け殻

「ねぇ知ってる蝉って」
本を読んでいると急に隣の席のゆかちゃんが話しかけてきた。
「知らないよ、だいたい虫は少し苦手なんだ。気持ち悪いじゃないか。」
僕はぶっきらぼうに答えた。

「蝉にはね、アブラゼミとかミンミンゼミ、クマゼミだっているんだよ。」
ゆかちゃんは聞いてもないのにどんどんと話を続ける。ゆかちゃんのいつもやり口だ。僕がどんなに興味がないことでも話し続けるため、最終的に僕はゆかちゃんの話にのめり込んでしまう。
「そしてね、そしてね、とっても希少な蝉がいるんだよ、ゾンビゼミって言うんだ。通称ヒトゼミ」
「何でゾンビゼミって言うんだい?」僕は気になって質問した。
「その蝉は何かに寄生するタイプの蝉らしいんだよ、私も何に寄生するとか詳しことは知らないんだけどね、、どう面白いでしょ!」

ゆかちゃんの情報はいつも半ば冗談半分で聞いている。本当かどうかもわからないし、ゆかちゃんのいつも適当に話し始めて話を盛る癖を知っているからだ。
けど僕はいつもゆかちゃんの話に引き込まれてしまう。多分心のどこかでゆかちゃんのことが好きなんだろう。

そんなことは置いておいて今回のゆかちゃんの都市伝説的な話には興味が湧いた僕は夜の公園に行き蝉の幼虫を探しに出掛けた。公園に行ってみると案外あっさり蝉の幼虫を捕まえることができた。
「なぁんだ、簡単じゃん。」僕は得意げになった。
他の木にも蝉の成虫になろうとしている、蝉の幼虫が次から次へと木に登っていた。
僕は生命の神秘を感じるとともに、こんなやつに寄生されたら嫌だなぁとも思った半面その蝉はなんの虫に帰省するのだろうと思った。

僕は夏休みの自由研究のために蝉の幼虫を持ち帰り育てることにした。
僕は疲れ果ててベッドで寝ていたが、蜂に刺されたような痛みで目が覚めた。するとそこには虫籠から逃げ出した、蝉の幼虫が窓までよじ登っていた。僕は慌てて飛び起き即座に虫籠に入れ直した。
「あっぶねぇ、、逃すところだった。」気づけば何かに刺されたことはすっかり忘れていた。僕は安堵して寝てしまった。
そして飼育し始めて1ヶ月が経とうとした時、僕はあることに気づいたのだ。蝉の幼虫が虫籠の中の地上の木に止まってまま最近身動きがないことに気づいたのだ。最近友達と遊んでばっかりで、全く気づかなかったが、見てみると蝉の抜け殻になっていた。
「なんだよ、、成虫になって逃げ出したのかよ。」僕は落胆して。ゆかちゃんにそのことを話した。
「そうなのね、、残念ね、、」ゆかちゃんはそう言うと友達に呼ばれたと言って去っていったが、ゆかちゃんが不敵な笑みを浮かべているように感じた。僕は不気味な子だなぁ、そんなに蝉が逃げ出したのが嬉しかったのかと思い、少し腹が立った。

その夜背中の痛みで目が覚めた。背中が引き裂かれるような痛みだ。急いで部屋の鏡で確認すると、背中の中はトロッとした液体が分泌し、白いフニャっとした羽のような物が生えていた。気づいた時には僕の目線がどんどん下がっていることに気づいた。「なんだ、、どう言うことだよ、、」訳が分からなかった。数分もすれば僕の目線は床まで落ちていた。言うならば人間を見るアリの目線である。
「よいしょ、それじゃあ行くか。」と声が聞こえた。そこには人の形をした蝉が立っていた。その蝉は次第に顔形を変貌させ僕の姿になっていた。
僕は脱ぎ捨てられた服のように、脱皮した皮となって、床に脱ぎ捨てられていた。
僕から脱皮した蝉は窓を開け、真夜中の外へ飛び立っていった。
羽根は夏を感じさせる羽音を響かせ、月に照らせれ、煌びやかなシルクのように光っていた。
そういえば蝉のことを饒舌に喋っていたゆかちゃんの背中にもうっすらと羽根があったような、なかったような、、、、



寄生するのは虫だけじゃないんだね、、、
だから虫はあまり得意ではないんだぁ、、、、、、、、
まぁこんな暑い日はかき氷が一番だね、、また次の話で会おうね、
ベェ〜〜どう?ベロ青くなってる??

暑い日差しに加え、夏の暑さを蝉たちの合唱がさらに加速させていた。

第三話 蝉の抜け殻 〜完〜