「僕だけしか知らない話」

今日はどんな話が待っているのかな、、楽しみだね。

「第二話 ちょうだいおじさん」

高校卒業したばかりで俺は周りの不良グループとつるんでいた。いわゆる不良だ。
五人くらいほどで河川敷を歩いていると、ホームレスが住んでいる場所にたどり着いた。一人の奴が言う。「ホームレスのやつを叩き起こそうぜ。」
今考えれば冬の寒い時期こんなところで寝るなんて考えられない。

俺たちは寝ているホームレスを叩き起こし、半ば遊び半分で寝ている毛布や衣服を無理やり剥ぎ取った。「にゃんだぁ、おめぇら、、、」ホームレスの男はすでに少し弱っていた。
「返して欲しいか?おっさん」
「ちょーだい、、ちょーだい、、ちょーだい、、、」ホームレスの男は震えた声で懇願した。ほとんど残ってない歯のせいで滑舌は悪くなり、うまく聞き取れない。俺たちはホームレスの男を軽蔑、差別した。また俺たちの方が立場が上という優越感にも浸らせた。
「おい、おっさん返して欲しければ取ってこい。」
俺は衣服や毛布、そこにあったものを全て川に投げ捨てた。それを取りに行くために裸一貫で川に飛び込むなんて無理難題である。

「見てるだけで、惨めだな。もう飽きたから帰ろぜ。」
俺は吸っていたセブンスターの火種を寝床に投げ捨て、その場を後にした。
後々分かったことだが、ホームレスの男の寝床は全焼し河川敷一帯が軽い火事に見舞われたらしい。そしてホームレスの男は凍死したという。
まぁ俺の知ったことではないが。

程なくして俺は若くして結婚した。デキ婚だ。今は子供ためにいいパパになろうとかなり更生した。こんな俺でも一児のパパである。絶賛愛娘を溺愛している。まぁ幸せの絶頂だ。相変わらず俺以下のホームレスみたいなクズは嫌いだが、
とある日、妻が言った。「ねぇ、私のパンツ知らない?」
「知るわけねぇだろ、無くしたんじゃねぇのか?」
「盗まれとかならまじ最悪なんですけどー、」新しい物買えば済むだけなんだが、最近ものがなくなることが増えたのだ。どうせ妻の不注意だろう。

そんな日から数日後もだんだんと物がなくなることが継続的に続き、なくなる量も格段に増えた。異変は感じていたが、俺はそこまで気にも止めていかなった。
ある日家のインターホンを押すも返事がなかった。誰も家にいる気配がなかったのだ。今までそんなことは一切なかったが、どこか二人で出掛けているのだろう。俺は勝手にそう思っていた。
しかし、今回は訳が違った。家に入るとあったはずの家具や服など一式なかったのだ。俺は唾をゴクリ飲み込んだ。やけに背筋が寒い。するとどこからともなく音が聞こえた。
「ちょーだい、、、ちょーだい、、」最初は一体なんて言っているのか聞き取れなかった。次第に声は段々と大きくより耳元で鮮明に聞こえてきた。
「ちょーだい、、ちょーだい、、命ちょーだい。」



今回は自業自得だね、、、人を傷つけるようなことをすると自分に返ってくるから気をつけないと、、
「ちょーだい、、ちょーだい、、」下のリビングで妹が下の弟のねだる声がこだました。

第二話 ちょうだいおじさん 〜完〜