隣の席の悪魔【旧版】

入学して半年が過ぎた、
十月のある日。

「席替えするぞー」

先生の声。

その瞬間。

私は固まった。

……席替え?

私はゆっくり、
隣を見る。

空くん。

頬杖をついてる。

いつも通り。

「ちょっと空くん!」

「なに」

「なんで平気なの!?」

「なにが」

私はぐいっと身を乗り出した。

「だってさー!
席離れたら!」

「ん」

「授業中、
空くんのノート覗けないし!」

「……」

「消しゴム飛ばせないし!」

「……」

「シャーペンで机つつけないし!」

「……」

「走るの誘いづらいし!」

「……嘘つけ。
別にいいだろ」

「よくない!!」

私は思わず叫ぶ。

すると。

空くんが、
少しだけ目を細めた。

そして。

ぽつり。

「……今の聞く限り、
利点しかないんだけど」

「ねーーー!!!」

その瞬間。

後ろで、
葛西くんが吹き出した。

「空の隣人、
構ってちゃんの極みだな」

「葛西くんは黙ってて!!」

私はむすっと頬を膨らませた。