隣の席の悪魔【旧版】



夕方。

冬の空。

白い息。

私たちは、
いつもの道を走っていた。

でも。

今日は。

なんか違う。

嬉しいのに。

苦しい。

その両方が、
胸の中をぐちゃぐちゃにしていた。

「空くん」

「ん?」

「おめでとう」

走りながら、
私は小さく言った。

空くんは少しだけ前を向いたまま、
ぽつり。

「……さんきゅ」

短い返事。

でも。

なんか。

その横顔が。

少しだけ、
寂しそうに見えた。