いじわる主治医は、私にだけ甘い

午後からは貸出窓口の担当だった。

「21日までに返却おねがいします。では、次の方どうぞお待たせしまし……た!?」

そこには、なんと桐ヶ谷先生がいた。
白衣じゃなく至福だけど、紛うことなき先生だ!

私は小声で言う。

「どうして先生が……?」

「やっと気付いたか。気付かれるまでに随分通ったんだがな」

「本、お好きなんですか?」

「いい時間つぶしになる。それに誰かさんが好きだと思ったから」

「それって……」

先生は本を差し出しながら笑った。

「今日はオフで時間がある。終わるまでここにいるから。仕事が終わったら少し話さないか」

「え!? わ、わかりました」

嬉しいけど、先生を待たせる申し訳なさと心がぐちゃぐちゃになりそうだった。

でも先生が私のために”ここにいるから”と言ってくれたこと。どうしてそんなに言ってくれたのか、もっともっと知りたくなった。

胸がドキドキした。