響け!星夜のセレナーデ

ハリエットとカナタが帰って来たのかとレオンハルトは顔を上げる。しかし、そこにいたのはギルベルトとルートヴィッヒだった。ギルベルトが「よっ」と手を挙げる。

「皆さん、ジョセフ・ファスベンダー卿の件、協力してくれてありがとう。警察官を代表し、お礼を持ってきました」

ギルベルトは軽く頭を下げた後、杖を一振りする。すると、テーブルの上に大きな箱が現れた。マーガレットが目を輝かせる。

「あっ!これって駅前のパティスリーの!」

「はい。そこのバウムクーヘン買ってきました。よかったら皆さんで食べてください」

「バウムクーヘン!やったぜ!」

アントーニョがはしゃぎ、オルハンがニヤリと笑いながら何かを言おうとする。その前にルートヴィッヒが事務所を見回し、口を開いた。

「ハリエットとカナタは今はいないんだね」

「二人は今、買い出しに行ってくれています。もう少ししたら帰って来るかと」

レオンハルトが答えると、ルートヴィッヒは彼を見つめた。その目には心配の色がある。