響け!星夜のセレナーデ

「ハリエットさん!!ダメです!!」

「ハリエット!!やめて!!」

マーガレットたちが泣き叫ぶ。ハリエットは目を閉じたまま言った。

「レオンハルトさん、アントーニョさん、オルハンさん、マーガレットさん、カナタさん、ルートヴィッヒさん、ありがとうございました。短い間でしたが、とても楽しかったです」

ダメだ。絶対にダメだ。死なせるわけにはいかない。レオンハルトは心の中で叫ぶ。指一本動かせない絶望的な状況で、レオンハルトはただ心の中で叫んでいた。

(ハリエットが死んだら、私はーーー)

ハリエットの過去を暴いてしまった。十七歳の少女が背負うべきでないものを、ハリエットは背負っている。

両親は卑劣な罠にかかって命を落とし、ハリエットは奴隷として売られた。そして別人として生きることを強要され、音楽の才能を知られれば舞台で歌わされた。

(幸せに生きてほしい。ハリエット……!!)

レオンハルトは、気が付けば呪文を唱えていた。

「フィーネ!」