Sayonaraの日

莉乃からの返信はいつも遅い。早くて二週間。遅いと一ヶ月以上。それまで僕はずっと待ちぼうけ。返信が莉乃は遅い方だったけど、就職してからさらに酷くなっている。

『ごめんごめ〜ん。忙しくってさ〜』

莉乃は僕に会うとすぐ、自分がどれだけ忙しかったのか語る。毎回会うたびに。僕は「笑顔を作って」それに相槌を打っていた。胸の中のモヤモヤに必死に気付かないフリをして……。

(僕も、仕事とか色々あって忙しかったんだけど……)

まるで自分だけが忙しいみたいで、すごく嫌だった。でもそれを口にすることはできなかった。これを口にすれば、莉乃との関係が壊れるような気がして……。

莉乃からも連絡してほしい。メッセージの未読スルーと既読スルーをやめてほしい。僕の話も聞いてほしい。

色々言いたいことはたくさんあった。でも、何一つ言えなかった。莉乃と会う嬉しさ、莉乃と話す楽しさ、莉乃と過ごす幸せ。それで自分の心を、感情を、ただ誤魔化し続けていた。