棗がベースを弾く。低い音が真莉の耳に心地よく響いた。



部室で好きなだけ演奏した後、真莉と棗は一緒に帰ることにした。二人の家は近いため、一緒に帰ることが多い。

「あっついね〜」

棗がパタパタと手で顔を仰ぐ。真莉も頷いた。夕方でも太陽は容赦なく大地を照り付ける。二人の体を汗が伝っていた。

「コンビニでアイス買おう」

真莉の言葉に棗が「賛成〜!」と手を挙げた。その顔は疲れ切っている。暑さで体力を持っていかれているのだ。二人は早足でコンビニへと駆け込む。涼しい風が体を一瞬にして包み込み、二人は揃って息を吐いた。

「真莉〜!ここって天国かな〜?」

「うん!きっと天国だよ〜!」

帰り道にコンビニがあることに感謝しつつ、真莉と棗はアイスコーナーへと向かう。暑いせいか売り切れている商品もあった。

「私、アイスの実にしようかな。棗は?」

「私はパルム〜!」

レジで会計を済ませ、外へと出る。ムワリと熱気がまた体を包んだ。しかし冷たいアイスを持っているためか、コンビニに入る前より暑さがマシに思える。