午後の打ち合わせは、思ったよりもあっさり終わった。
方向性は決まっている。
あとは細部を詰めるだけ。
それなのに、どこかしっくりこないまま席に戻る。
「穂村」
背後から落ちてきた声に、肩がわずかに揺れる。
振り返ると、八代さんが立っていた。
「今、大丈夫?」
「はい」
私がうなずいたのを見て、彼はちょうど今終わったばかりの手元の資料に目を落とした。
「さっきのこれさ、」
覗き込むようにして、指先でページをめくる。
「だいぶ良くなったよね」
不意の肯定に、一瞬だけ思考が止まる。
「でも、ちょっと“優等生”すぎるかもなーって思って」
そのままさらっと続けられて、ふわりと浮き上がりかけた気持ちが着地した。
「……優等生、ですか?」
「うん。ちゃんとしてる。ちゃんとしてるんだけど」
視線がこちらに上がる。
「なんか、引っかかりがないんだよな」
言葉は柔らかいのに、どこか逃げ場はない。
指摘は鋭いのに、少しだけ曖昧で、そして抽象的にも思える。
方向性は決まっている。
あとは細部を詰めるだけ。
それなのに、どこかしっくりこないまま席に戻る。
「穂村」
背後から落ちてきた声に、肩がわずかに揺れる。
振り返ると、八代さんが立っていた。
「今、大丈夫?」
「はい」
私がうなずいたのを見て、彼はちょうど今終わったばかりの手元の資料に目を落とした。
「さっきのこれさ、」
覗き込むようにして、指先でページをめくる。
「だいぶ良くなったよね」
不意の肯定に、一瞬だけ思考が止まる。
「でも、ちょっと“優等生”すぎるかもなーって思って」
そのままさらっと続けられて、ふわりと浮き上がりかけた気持ちが着地した。
「……優等生、ですか?」
「うん。ちゃんとしてる。ちゃんとしてるんだけど」
視線がこちらに上がる。
「なんか、引っかかりがないんだよな」
言葉は柔らかいのに、どこか逃げ場はない。
指摘は鋭いのに、少しだけ曖昧で、そして抽象的にも思える。



