三日目だというのに、朝はまだ慣れない。
洗面所が混み合い、譲ろうとしたり譲らなかったり、意図せず身体がぶつかる。
「あっつ!…だからこの髪の毛のやつ、もう少し違うところに掛けられない?」
また、彼がヘアアイロンを手のどこかで触ってしまったらしい。
イライラしたような顔で振り返られた。
私はまだ入念にパックを貼り付けている最中だった。
「だってこの洗面所、引っ掛けるところがそこくらいしかないんですもん」
「ここもなんか買うか…」
朝から収納を考え始めているので、「今じゃない!」とぶった斬る。
「一ヶ月しかいないのに?まだ買うんですか?」
「その一ヶ月をストレスフリーに生きるため」
「お金、もったいなくないですか?」
「金ならあるんだよな」
一生に一度は言ったみたいセリフを、なんてことないようにさらっと言う。
こちらも朝からちょっとだけイラッとしてしまった。
パックが終わったので、洗面所から廊下に出てリビングに戻ろうとして足を止める。
「……昨日、何時に寝たんですか?」
私の問いかけに、彼は洗顔フォームを泡立てながら首をかしげた。
「……時計、見てない」
「目の下、クマありますよ」
「あーほんとだ」
鏡で自分の顔を確認している。けれど、自分の顔色や体調に興味はなさそうだ。
「まあ、起きれたから大丈夫」
彼はそう言って泡の中に顔を突っ込んでいた。
泡を流す水の音を背に、私は先にリビングへ戻る。
テレビをつけて、なんとなく天気予報を眺める。
いつも通りの朝のはずなのに、ひとりじゃないだけで少しだけ違う。
キッチンに立って、軽く朝食を用意する。
……あの人、またパンかな。
••┈┈┈┈••
洗面所が混み合い、譲ろうとしたり譲らなかったり、意図せず身体がぶつかる。
「あっつ!…だからこの髪の毛のやつ、もう少し違うところに掛けられない?」
また、彼がヘアアイロンを手のどこかで触ってしまったらしい。
イライラしたような顔で振り返られた。
私はまだ入念にパックを貼り付けている最中だった。
「だってこの洗面所、引っ掛けるところがそこくらいしかないんですもん」
「ここもなんか買うか…」
朝から収納を考え始めているので、「今じゃない!」とぶった斬る。
「一ヶ月しかいないのに?まだ買うんですか?」
「その一ヶ月をストレスフリーに生きるため」
「お金、もったいなくないですか?」
「金ならあるんだよな」
一生に一度は言ったみたいセリフを、なんてことないようにさらっと言う。
こちらも朝からちょっとだけイラッとしてしまった。
パックが終わったので、洗面所から廊下に出てリビングに戻ろうとして足を止める。
「……昨日、何時に寝たんですか?」
私の問いかけに、彼は洗顔フォームを泡立てながら首をかしげた。
「……時計、見てない」
「目の下、クマありますよ」
「あーほんとだ」
鏡で自分の顔を確認している。けれど、自分の顔色や体調に興味はなさそうだ。
「まあ、起きれたから大丈夫」
彼はそう言って泡の中に顔を突っ込んでいた。
泡を流す水の音を背に、私は先にリビングへ戻る。
テレビをつけて、なんとなく天気予報を眺める。
いつも通りの朝のはずなのに、ひとりじゃないだけで少しだけ違う。
キッチンに立って、軽く朝食を用意する。
……あの人、またパンかな。
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