席に戻っても、すぐには画面に集中できなかった。
────『その顔、いいね』
────『そんな状況、放っておかない』
さっきの言葉が、頭の中で何度も繰り返される。
……だめだ。
小さく息を吐いて、頬を軽く叩く。
なんとなく頬だけじゃなくて顔全体が熱い。
今は仕事。仕事しなきゃ。集中。
視線を落として、パソコンの画面を見つめた。
開いているのは、さっきまで作っていた資料だ。
機能説明を並べただけの、どこかぼやけた内容。
“誰に”“何を”を、ちゃんとしなければ。
頭の中で、もう一度なぞった。
「……誰に」
ターゲットをひとつに絞る。
利用シーンを具体的にする。
“便利です”じゃなくて、“どんな時に助かるか”に言い換えていく。
営業がそのまま使える言葉に変換する。
打って、消して、また打って。
さっきまで気づかなかった穴が、次々と見えてくる。
気づけば、資料の構成そのものが変わっていた。
ひと息ついて、スクロールしてみて全体を見直す。
────さっきより、ずっといい。
小さくうなずいて、ファイルを保存した。
そのままチャット画面を開き、ファイルを送る相手の名前を見て、すぐに指が止まった。
でも、思い直してすぐに打ち込む。
『資料修正しました。一度見ていただけますか?』
送信ボタンを押す。
画面に表示された“既読”の文字を見て、なぜか少しだけ心臓が落ち着かなくなる。
……仕事、なのに。
自分でも分からないまま、私はそっと息を吐いた。
••┈┈┈┈••
────『その顔、いいね』
────『そんな状況、放っておかない』
さっきの言葉が、頭の中で何度も繰り返される。
……だめだ。
小さく息を吐いて、頬を軽く叩く。
なんとなく頬だけじゃなくて顔全体が熱い。
今は仕事。仕事しなきゃ。集中。
視線を落として、パソコンの画面を見つめた。
開いているのは、さっきまで作っていた資料だ。
機能説明を並べただけの、どこかぼやけた内容。
“誰に”“何を”を、ちゃんとしなければ。
頭の中で、もう一度なぞった。
「……誰に」
ターゲットをひとつに絞る。
利用シーンを具体的にする。
“便利です”じゃなくて、“どんな時に助かるか”に言い換えていく。
営業がそのまま使える言葉に変換する。
打って、消して、また打って。
さっきまで気づかなかった穴が、次々と見えてくる。
気づけば、資料の構成そのものが変わっていた。
ひと息ついて、スクロールしてみて全体を見直す。
────さっきより、ずっといい。
小さくうなずいて、ファイルを保存した。
そのままチャット画面を開き、ファイルを送る相手の名前を見て、すぐに指が止まった。
でも、思い直してすぐに打ち込む。
『資料修正しました。一度見ていただけますか?』
送信ボタンを押す。
画面に表示された“既読”の文字を見て、なぜか少しだけ心臓が落ち着かなくなる。
……仕事、なのに。
自分でも分からないまま、私はそっと息を吐いた。
••┈┈┈┈••



