慣れない路線の電車に乗り、帰宅ラッシュより少し遅く乗ったからか座って帰れた。
ついウトウトしてしまい、なんとか意識を奮い立たせる。
駅名をちゃんと確認しながら乗らないと、まだ油断できない。
ついでに夕飯をどうするか、ちょっとだけ考える。
キッチン用品はまだダンボールの中だ。
でもちゃんと分けて入れてあるから、フライパンとかを出して簡単なものを作るくらいなら────今の私にはできるかも。
スマホが震えたので、画面をつけると『藍沢大地』という名前が表示された。
ああ、そういえば。
連絡手段はあった方がいいってことで、念のため連絡先は交換したんだった。
────こんな非日常なこと、ある?
そんなことを思いながら、通知を読む。
『遅くなる』
『ソファよろしく』
『設置場所は任せる』
ポンポンポン、と連続で来た。
完全に人任せだなあ、と眉を寄せつつ、『了解』と返してスマホを閉じる。
……相変わらず、適当な人だ。
短い文面なのに、どこか距離が近いような、遠いような。
命令っぽいのに、雑というか。
でも、不思議と嫌な感じはしない。
電車の揺れに身を任せながら、私は小さく息をついた。
とりあえず、帰ったらソファをなんとかしないと。
あの部屋に帰ることを思い出して、少しだけ気が重くなる。
────知らない男と同じ空間。
そう考えると、やっぱり普通じゃない。
でも。
「……まあ、いっか」
ぽつりと、小さくつぶやく。
本当に“いっか”なのかは分からない。
分からないけど、考えすぎても仕方がない。
電車は、静かに次の駅へ滑り込んだ。
••┈┈┈┈••
ついウトウトしてしまい、なんとか意識を奮い立たせる。
駅名をちゃんと確認しながら乗らないと、まだ油断できない。
ついでに夕飯をどうするか、ちょっとだけ考える。
キッチン用品はまだダンボールの中だ。
でもちゃんと分けて入れてあるから、フライパンとかを出して簡単なものを作るくらいなら────今の私にはできるかも。
スマホが震えたので、画面をつけると『藍沢大地』という名前が表示された。
ああ、そういえば。
連絡手段はあった方がいいってことで、念のため連絡先は交換したんだった。
────こんな非日常なこと、ある?
そんなことを思いながら、通知を読む。
『遅くなる』
『ソファよろしく』
『設置場所は任せる』
ポンポンポン、と連続で来た。
完全に人任せだなあ、と眉を寄せつつ、『了解』と返してスマホを閉じる。
……相変わらず、適当な人だ。
短い文面なのに、どこか距離が近いような、遠いような。
命令っぽいのに、雑というか。
でも、不思議と嫌な感じはしない。
電車の揺れに身を任せながら、私は小さく息をついた。
とりあえず、帰ったらソファをなんとかしないと。
あの部屋に帰ることを思い出して、少しだけ気が重くなる。
────知らない男と同じ空間。
そう考えると、やっぱり普通じゃない。
でも。
「……まあ、いっか」
ぽつりと、小さくつぶやく。
本当に“いっか”なのかは分からない。
分からないけど、考えすぎても仕方がない。
電車は、静かに次の駅へ滑り込んだ。
••┈┈┈┈••



