着いたら、まずはカーテンを買うための採寸をしなきゃ。
十七時過ぎに業者さんが来ることになっているから、家電の配置もそれまでに考えておかないと。
家具は今まで一人暮らししていたので足りている、はず。必要最低限は揃っている。
これから行くところは前に住んでいたところよりも、断然広い。だからこそ、部屋のバランスも見ないと。
楽しみな気持ちもあるけれど、不安な気持ちもある。
『なんかこの部屋だけ、いっつも人がすぐ出ていくんだよね。事故物件とかじゃないんだけどさ』
もう!課長のせいで!すぐ思い出しちゃう!
今夜眠れなかったらどうしてくれるの!
イライラしながらエレベーターを降りた。
足音はカーペットに吸い込まれ、音がしない。
風も雨も吹き込んでこない静かな廊下。
部屋数は、五戸。
住人同士が顔を合わせすぎない、ちょうどいい戸数だ。
どこを見ても綺麗なので、清潔感という点では合格。
廊下を少し進んだところで、誰かひとり立っているのが見えた。若い男性。
ダークブラウンの髪は少しだけ長めで、手入れされているのかいないのか分からない自然さだった。
下を向いてスマホをいじっているその姿は、気だるそうなのに妙に整って見える。
背が高い。たぶん、私より頭一個分くらい。
けれど圧迫感があまりないのは、ただそこに立っているだけ、という感じだからかもしれない。
私と違ってスーツケースはなく、片手にボストンバッグだけを持っている。
こちらの気配に気づいてはいるだろうが、まったく顔を上げない。
まあ、いいや。
あまり気にせず、手に持っていた鍵をドアに差し込もうとした。
その時、隣から突然同じような鍵が出てきて変な声が出た。
「えっ?」
十七時過ぎに業者さんが来ることになっているから、家電の配置もそれまでに考えておかないと。
家具は今まで一人暮らししていたので足りている、はず。必要最低限は揃っている。
これから行くところは前に住んでいたところよりも、断然広い。だからこそ、部屋のバランスも見ないと。
楽しみな気持ちもあるけれど、不安な気持ちもある。
『なんかこの部屋だけ、いっつも人がすぐ出ていくんだよね。事故物件とかじゃないんだけどさ』
もう!課長のせいで!すぐ思い出しちゃう!
今夜眠れなかったらどうしてくれるの!
イライラしながらエレベーターを降りた。
足音はカーペットに吸い込まれ、音がしない。
風も雨も吹き込んでこない静かな廊下。
部屋数は、五戸。
住人同士が顔を合わせすぎない、ちょうどいい戸数だ。
どこを見ても綺麗なので、清潔感という点では合格。
廊下を少し進んだところで、誰かひとり立っているのが見えた。若い男性。
ダークブラウンの髪は少しだけ長めで、手入れされているのかいないのか分からない自然さだった。
下を向いてスマホをいじっているその姿は、気だるそうなのに妙に整って見える。
背が高い。たぶん、私より頭一個分くらい。
けれど圧迫感があまりないのは、ただそこに立っているだけ、という感じだからかもしれない。
私と違ってスーツケースはなく、片手にボストンバッグだけを持っている。
こちらの気配に気づいてはいるだろうが、まったく顔を上げない。
まあ、いいや。
あまり気にせず、手に持っていた鍵をドアに差し込もうとした。
その時、隣から突然同じような鍵が出てきて変な声が出た。
「えっ?」



