会議室を出たあと、そのまま竹中さんと並んで開発部へ戻る。
開発部のフロアへ入ると、空気が少し変わる。
営業や企画のいる階より静かで、キーボードを叩く音の方が大きい。
いつも私がいる推進部のフロアは朝から慌ただしく、人の声や電話の音があちこちで飛び交っていた。
デスクに戻るなり会議で使った資料に目を通しながら、竹中さんが笑顔を見せる。
「さっきの導線の話、よかったね」
不意に彼がそう言ったので、私は少し驚いて見つめ返す。
「えっ?」
「ベビーカー導線の件。あれ、たしかに必要だと思った。休日のあそこ、絶対混むし」
褒められるとは思っていなくて、思わず目を瞬かせる。
今までの私なら、たぶんすぐに「そんなことないです」って返していた。
でも、これはおそらく、素直に受け取った方がいい場面だ。
「……ありがとうございます」
言葉が、そこで止まる。
否定しようとして、できなかった。
だって本当に、気になっていたから。
現地確認に行った時、小さい子を連れた家族が狭い通路で立ち止まっていたのを思い出す。
ベビーカー同士がすれ違えなくて、後ろが詰まりかけていた。
たぶん、あそこは混む。 イベントをやれば、なおさら。
開発部のフロアへ入ると、空気が少し変わる。
営業や企画のいる階より静かで、キーボードを叩く音の方が大きい。
いつも私がいる推進部のフロアは朝から慌ただしく、人の声や電話の音があちこちで飛び交っていた。
デスクに戻るなり会議で使った資料に目を通しながら、竹中さんが笑顔を見せる。
「さっきの導線の話、よかったね」
不意に彼がそう言ったので、私は少し驚いて見つめ返す。
「えっ?」
「ベビーカー導線の件。あれ、たしかに必要だと思った。休日のあそこ、絶対混むし」
褒められるとは思っていなくて、思わず目を瞬かせる。
今までの私なら、たぶんすぐに「そんなことないです」って返していた。
でも、これはおそらく、素直に受け取った方がいい場面だ。
「……ありがとうございます」
言葉が、そこで止まる。
否定しようとして、できなかった。
だって本当に、気になっていたから。
現地確認に行った時、小さい子を連れた家族が狭い通路で立ち止まっていたのを思い出す。
ベビーカー同士がすれ違えなくて、後ろが詰まりかけていた。
たぶん、あそこは混む。 イベントをやれば、なおさら。



