「……じゃあ、ご飯とかどうするんですか?」
「分からない」
彼が言い淀む姿を見たことがないかもしれない。今回も見事なまでな即答だった。
「食べるかもしれないし、食べないかもしれない」
それ、ルール決められなくない?
というか、人間の生活じゃなくない?
「それルール決められなくないですか!?」
思わずそのまま口に出てしまった。
この、私の手に持っている紙とペンの意味がどこにもない。
「だから、決めない方が合理的だと思うよ。時間の無駄」
……彼の中の最強ワード、きっと今の“合理的”なんだろうな。
全部それで片付ける気だ、この人。
私は一度、深く息を吐いた。
落ち着きなさい、私。
これは仕事。そう、仕事。
変な物件に住むことになった調査員としての仕事。
だったら、この人も“環境の一部”。
そう思えば、なんとかなる。
「……じゃあ最低限だけ決めます」
「なに?」
「夜中に出ていく時」
目の前にいた彼が少しだけ顔を上げる。私は構わず続けた。
「一言ください」
「なんで?」
「怖いからです!!!」
思わず声が大きくなる。
「急にいなくなられるの、普通に怖いですからね!?」
こんな静かな部屋で、気づいたら誰もいないとか、絶対嫌だ。
そもそも、まだこの状況に慣れてないのに。
彼は少しだけ考えて、
「……分かった」
と言った。
「分からない」
彼が言い淀む姿を見たことがないかもしれない。今回も見事なまでな即答だった。
「食べるかもしれないし、食べないかもしれない」
それ、ルール決められなくない?
というか、人間の生活じゃなくない?
「それルール決められなくないですか!?」
思わずそのまま口に出てしまった。
この、私の手に持っている紙とペンの意味がどこにもない。
「だから、決めない方が合理的だと思うよ。時間の無駄」
……彼の中の最強ワード、きっと今の“合理的”なんだろうな。
全部それで片付ける気だ、この人。
私は一度、深く息を吐いた。
落ち着きなさい、私。
これは仕事。そう、仕事。
変な物件に住むことになった調査員としての仕事。
だったら、この人も“環境の一部”。
そう思えば、なんとかなる。
「……じゃあ最低限だけ決めます」
「なに?」
「夜中に出ていく時」
目の前にいた彼が少しだけ顔を上げる。私は構わず続けた。
「一言ください」
「なんで?」
「怖いからです!!!」
思わず声が大きくなる。
「急にいなくなられるの、普通に怖いですからね!?」
こんな静かな部屋で、気づいたら誰もいないとか、絶対嫌だ。
そもそも、まだこの状況に慣れてないのに。
彼は少しだけ考えて、
「……分かった」
と言った。



