スマホを手に取って洗面所へ向かうと、ドライヤーで髪を乾かす背中に声をかけた。
「大地さん、電話来てますよ」
……あ、もうだめだ。
また呼んだ。
でも、向こうはまったく気にすることなく振り向いてドライヤーを止める。
「ありがとう」
短く言って、スマホをすぐに耳に当てていた。
「はい」
声のトーンが、さっきまでと違う。
低くて、無駄がない。
「……今どこですか」
少しだけ間があって、
「分かりました」
とそれだけ言って、通話を切った。
次の瞬間には、もうリビングへ歩き出していた。
「ごめん、ちょっと行ってくる」
「今からですか?」
「うん」
迷いがない。
さっきまでとは別人みたいに、動きが早い。
キッチンの火をつけたままだったことを思い出して、いったん止めに戻る。
その横を、いつの間に着替えたのかスウェットではないいつもの服になった彼が通り過ぎた。
手には鍵と鞄を持っている。
ソファの背もたれに、さっきまで着ていたスウェットが掛けられていた。
「大地さん、電話来てますよ」
……あ、もうだめだ。
また呼んだ。
でも、向こうはまったく気にすることなく振り向いてドライヤーを止める。
「ありがとう」
短く言って、スマホをすぐに耳に当てていた。
「はい」
声のトーンが、さっきまでと違う。
低くて、無駄がない。
「……今どこですか」
少しだけ間があって、
「分かりました」
とそれだけ言って、通話を切った。
次の瞬間には、もうリビングへ歩き出していた。
「ごめん、ちょっと行ってくる」
「今からですか?」
「うん」
迷いがない。
さっきまでとは別人みたいに、動きが早い。
キッチンの火をつけたままだったことを思い出して、いったん止めに戻る。
その横を、いつの間に着替えたのかスウェットではないいつもの服になった彼が通り過ぎた。
手には鍵と鞄を持っている。
ソファの背もたれに、さっきまで着ていたスウェットが掛けられていた。



