翌朝。目が覚めて、何か違和感を覚えて起き上がる。なんだか身体がだるい。
すぐに扉がノックされてリゼが入ってきたものの、彼女の言葉がまた理解できなくなっていて目を見開いた。
私の反応がないからか、きょとんとした目で見つめてくるリゼ。
「リゼ……あの、言葉が……」
私が口を開くと、リゼも驚いたような表情をして、何かを言ってから部屋を飛び出していく。
そして十分ほど経ってから、ロード様を連れて戻ってきた。
「セーラ!」
「ロード、様」
「セーラ、――!」
私の肩を掴んで何かを言っているものの、やはり言葉が理解できない。それどころか、やはり身体がどこか重いような気がする。
昨日魔力を譲渡してもらってからすごく軽かったのに。もしかして、魔力がまた無くなってしまったということだろうか。
ロード様も私の様子を見て同じように考えたのか、リゼに何かを指示してリゼが飛び出していく。
「セーラ。……オハヨウ」
「お、おはよう。ロード様」
カタコトの日本語で話しかけてくれるロード様は、苦しそうに微笑んで私の頭を撫でてくれた。
すぐにカイエン様がやってきて、昨日と同様に私に魔力を注いでくれる。するとどんどん身体が軽くなり、目を開くと心配そうなロード様が
「セーラ? 聞こえるか? わかるか?」
と声をかけてくれて何度も首を縦に振った。
「カイエン様。ありがとうございます。ロード様、わかります」
「良かった……!」
「リゼもありがとう」
「いえ。言葉が交わせるようになり何よりです」
安心したように息を吐いたロード様は、私の体調を確認してから立ち上がる。
「驚かせてしまったな。……リゼ、セーラに何か身体に優しいものを。ベッドで食べられるものを用意してやってくれ」
「かしこまりました」
「セーラ。少しカイエンと話してくるから、ゆっくりしてるんだぞ」
「……わかりました」
それだけ言ってロード様とカイエン様は部屋を出ていってしまい、私は一人残った。
すぐにリゼがパン粥のようなものを用意してくれて、それをゆっくりと口に運ぶ。
「ねぇリゼ」
「はい」
「さっきの私、どんな言葉を喋ってた?」
「……恐れながら、聞いたことのない言語をお話しされておりました」
「やっぱりそうなんだ……」
どうやら、私は魔力によってこの国の言葉がわかるようになるというよりはこの国の言葉を理解して自動的に話せるようになるらしい。勝手に翻訳されていくようなものだろうか。
魔力が切れるとその翻訳が機能しないから、お互いに言葉がわからない。
確かに昨日譲渡してもらった魔力は微量だと言っていた。魔力は身体に溜まっていくのかと思い込んでいたけれど、もしかして私の身体は魔力が抜けてしまうような体質になってしまっているのか。
きっとロード様もカイエン様も、同じことを考えているに違いない。だけど、私が出る幕ではないのだろう。ロード様に言われた通り、今はゆっくりとしているのが正解なのかもしれない。
「リゼ」
「はい」
「あれは何?」
「あちらは王宮の庭園でございます。色とりどりのお花が咲いておりまして、庭師が毎日手入れしております」
「そう。……すごく綺麗ね」
ベッドの横にある窓の向こうには、綺麗なお花がどこまでも広がっているように見えた。
こんなの、普通の庭園の規模ではないだろう。さすが王宮だ。
一度目の召喚ではあまり王宮に滞在していなかったから、こうやってゆっくり過ごすのは変な感じがする。
「リゼ、あの庭園に行ってみることはできる?」
「ロード殿下に許可をいただいてからにはなりますが、おそらく問題無いかと」
「じゃあ、お願いしてもいいかな」
「かしこまりました!」
ベッドで横になっているだけだった私が外に出たいと言ったからか、リゼは嬉しそうに返事をして部屋を出ていく。
私はリゼが戻ってくるまで、窓の向こうをじっと見つめていた。
すぐに扉がノックされてリゼが入ってきたものの、彼女の言葉がまた理解できなくなっていて目を見開いた。
私の反応がないからか、きょとんとした目で見つめてくるリゼ。
「リゼ……あの、言葉が……」
私が口を開くと、リゼも驚いたような表情をして、何かを言ってから部屋を飛び出していく。
そして十分ほど経ってから、ロード様を連れて戻ってきた。
「セーラ!」
「ロード、様」
「セーラ、――!」
私の肩を掴んで何かを言っているものの、やはり言葉が理解できない。それどころか、やはり身体がどこか重いような気がする。
昨日魔力を譲渡してもらってからすごく軽かったのに。もしかして、魔力がまた無くなってしまったということだろうか。
ロード様も私の様子を見て同じように考えたのか、リゼに何かを指示してリゼが飛び出していく。
「セーラ。……オハヨウ」
「お、おはよう。ロード様」
カタコトの日本語で話しかけてくれるロード様は、苦しそうに微笑んで私の頭を撫でてくれた。
すぐにカイエン様がやってきて、昨日と同様に私に魔力を注いでくれる。するとどんどん身体が軽くなり、目を開くと心配そうなロード様が
「セーラ? 聞こえるか? わかるか?」
と声をかけてくれて何度も首を縦に振った。
「カイエン様。ありがとうございます。ロード様、わかります」
「良かった……!」
「リゼもありがとう」
「いえ。言葉が交わせるようになり何よりです」
安心したように息を吐いたロード様は、私の体調を確認してから立ち上がる。
「驚かせてしまったな。……リゼ、セーラに何か身体に優しいものを。ベッドで食べられるものを用意してやってくれ」
「かしこまりました」
「セーラ。少しカイエンと話してくるから、ゆっくりしてるんだぞ」
「……わかりました」
それだけ言ってロード様とカイエン様は部屋を出ていってしまい、私は一人残った。
すぐにリゼがパン粥のようなものを用意してくれて、それをゆっくりと口に運ぶ。
「ねぇリゼ」
「はい」
「さっきの私、どんな言葉を喋ってた?」
「……恐れながら、聞いたことのない言語をお話しされておりました」
「やっぱりそうなんだ……」
どうやら、私は魔力によってこの国の言葉がわかるようになるというよりはこの国の言葉を理解して自動的に話せるようになるらしい。勝手に翻訳されていくようなものだろうか。
魔力が切れるとその翻訳が機能しないから、お互いに言葉がわからない。
確かに昨日譲渡してもらった魔力は微量だと言っていた。魔力は身体に溜まっていくのかと思い込んでいたけれど、もしかして私の身体は魔力が抜けてしまうような体質になってしまっているのか。
きっとロード様もカイエン様も、同じことを考えているに違いない。だけど、私が出る幕ではないのだろう。ロード様に言われた通り、今はゆっくりとしているのが正解なのかもしれない。
「リゼ」
「はい」
「あれは何?」
「あちらは王宮の庭園でございます。色とりどりのお花が咲いておりまして、庭師が毎日手入れしております」
「そう。……すごく綺麗ね」
ベッドの横にある窓の向こうには、綺麗なお花がどこまでも広がっているように見えた。
こんなの、普通の庭園の規模ではないだろう。さすが王宮だ。
一度目の召喚ではあまり王宮に滞在していなかったから、こうやってゆっくり過ごすのは変な感じがする。
「リゼ、あの庭園に行ってみることはできる?」
「ロード殿下に許可をいただいてからにはなりますが、おそらく問題無いかと」
「じゃあ、お願いしてもいいかな」
「かしこまりました!」
ベッドで横になっているだけだった私が外に出たいと言ったからか、リゼは嬉しそうに返事をして部屋を出ていく。
私はリゼが戻ってくるまで、窓の向こうをじっと見つめていた。



