君待姫〜月曜劇場



 一方その頃、月では花待姫と月待姫がある少女と話していました。
「隕石を頂けませんか・・・・・・隕石を探しています・・・・・・石待でございます・・・・・・」
 太陽も地球も見えなくなる頃、その声はか細く響くのです。
 その正体は、石待姫という五つの姫君でした。幼き頃から幾年も月で石を待っているのです。
「隕石が落下する? この月に?」
「はい・・・・・・そう遠くない日にぶつかるでしょう。心配いりません、その時には私がお守りいたします」

 後日・・・・・・本当に隕石は衝突しました。
「ああ・・・・・・待っていました、隕石よ。さあ、おいでなさい、あの星への架け橋となっておくれ」
 石待姫は、近くの星を指さしました。
「花待姫、月待姫。あれは、私が隕石を集めて作った惑星です。地球の・・・・・・パラレルワールドでございます。あの星に行くには橋が必要でして、あと一つで完成するところだったのです。一緒に参りましょう、あの星へ」
 石待姫に導かれ、花待姫と鳥待姫は地球のパラレルワールドである惑星に向かったのでした。

 五年の刻が経ちました。
「すまない、鳥待姫。父上から離縁を言いつけられた。別れよう」
 鳥待姫は嫁入り先の獣医一家から離縁を告げられ、風待姫の居る実家へ戻ってきました。
「鳥待お姉様、お久しぶりです」
 16歳になった風待姫は、美しい着物を身に纏い、四姉妹一の美女になっていました。
「あら鳥待姫。大きくなったわね」
 奥から誰か、女性が出てきました。
「鳥待お姉様、こちら、私たちの母上よ。魔女が転んでしまった時に助けたんですって、お医者様よ」
「まあ、母上でしたか」
 風待姫の紹介に、鳥待姫は母に頭を下げました。
「私のことは母上と呼んでもらって結構ですが・・・・・・しばらくお世話になります。転勤というか、往診を任されてしまったので・・・・・・」
 母の名は四季姫といいました。
「そうだわ。鳥待姫、風待姫。ある星から誘いを受けました。あなたたちの待つものがきっとありますよ。花待姫と月待姫もいると聞きました」
(行きたいわ)
 鳥待姫は「すぐにでも!」と叫びそうになりましたが、風待姫は首を振りました。
「もう、戻れないのでしょう? 私はこの星で、風と約束したのですから、ここで待たねば」
 四季姫が口を開きました。

 それからさらに5年。
 花待姫はあの星で、25歳になっていました。
 そろそろ飽きてくるものです。
 鳥待姫や風待姫、四季姫、魔女も、あの後来たのです。
「鳥よ、今日こそ来るわよね・・・・・・?」
 この星には、鳥がいないのです。鳥待姫にとって、それは寂しいものでした。
 花待姫が待つ花は、段々と生えてきましたが・・・・・・。
 そして今、何より衝撃的なことを、あの石待姫から聞かされたのです。
「この星に動植物を呼ぶには、その種を地球で絶滅させなければいけないのです。そして、地球はいつか・・・・・・この、パラレルワールドに乗っ取られることも、もう決まっています」
「待って、石待姫。どうにかして逃れられないの? そんな悲しい運命、私は嫌よ」
 
 この星に鳥を呼ぶには、一度、彼らを絶滅させなければならないーーー。
 そんな悲しい運命を背負ってしまった鳥待姫は、次回、どうするのでしょうかーーー。