「風待姫、魔女が呼んでいるわ。行きましょう」
地球では、翌日、次女の鳥待姫の声が聞こえてきました。
「風待姫、起きて」
鳥待姫は、三女の風待姫を起こそうとしているようです。
そこへ魔女がやってきました。
「風待姫、もう11歳だろう。鳥待姫も13。良いお相手を探してきたよ」
「え・・・・・・っ」
風待姫は起きるなり目を見開きました。
「花待お姉様は? なぜ私たちの方が先なの?」
鳥待姫も驚いたようです。
「それと、昨日から花待お姉様をお見かけしていませんが」
風待姫の一言に、鳥待姫の顔色が変わりました。
「魔女・・・・・・! あなた、花待お姉様に何かしたのですか⁉︎」
「落ち着きなさい、鳥待姫。花待姫は月に行った。月待姫もそこにいる」
「嘘をつくでないわ、魔女。真面目にお答えなさい!」
鳥待姫の大声に、庭にいた小鳥たちがざわつきました。
静かに口を開いたのは、風待姫でした。
「結婚話は全て、お断りします」
「な・・・・・・っ、風待姫、おまえの待っているものは永遠に現れない。諦めて嫁ぎなさい」
「私は、永遠に現れないとしても、風を待つ。でもいつか、きっと現れるわ。だから大丈夫、それまでずっと独身でいるわ」
横にいた鳥待姫はうなずきました。
(風待姫・・・・・・ずっと変わらないわね。風は一番、現れるかわからないのに。待ち焦がれる風待姫はすごく美しいわ)
「私は嫁ぐわ、魔女」
魔女は大きくうなずきます。
「良い子よ、鳥待姫」
ですが、鳥待姫は澄ました顔でこう言ったのです。
「姉と妹をどこかへ行かせた魔女の近くには居たくありませんので」
風待姫は笑ってうなずきました。
「それで良いわ、鳥待お姉様」
そうして後日、鳥待姫は嫁入りをしました。後々わかったことですが、その相手は鳥専門の医師でした。



