秘密の友情箱

 共通した事や事象はこの世にたくさんあるものです。
 箱はどこの地域でも共通した事象なのです。

 彼女は読書クラブに所属する女性でした。
 この読書クラブからは毎月会員向けにプレゼントが配られることになっていました。

 その箱は友情の深さによって、あらかじめ内容が何なのか、段階的にわかる不思議な小箱でした。
 全ての、箱は彼女なら箱を開けなくてもおおよそ、箱の内容がわかるのでした。

 それは、彼女が安心だと思えばその箱は信頼していいという保証つきのサインなのでした。
 
 その箱の特性は不思議な特性を持っていました。
 友情の性質によって箱への異なる属性が決まるのでした。

 親や妹など近しい人からは特性が「安らか」な属性箱になり、普通の通販などの場合は「普通の」、女友達からは「中程度の」属性と、分かるのでした。
 
 しかし中では不思議な特性がありました。

 それは読書クラブからの箱の場合でした。
 
 いつもクラブからの箱は全ての会員から寄せられたお気に入りの小説や伝記などが箱の内容でした。

 彼女も好きな小説や論文を会員に紹介するため箱にして送り出すのでした。
 
 読書クラブの箱の場合は、荷受け人と荷送り人の友情が一致しないと「属性」が決まらない箱なのでした。
 
 会員内でも相性があり、感情的に違う場合があったりするので、友情が一致しないと彼女の安全な保証はサインされないのでした。

 「今回はやめとこうかなぁ」と彼女。
 「その方がいいよ」と使徒の声で聞こえたり、

 また違う場面では、
 「今回は楽しそうでワクワクするわ」
 「それは当たりです!」と違う使徒の声。

 今回は、友情が一致したようなので、彼女は「友情箱」の包みを開けるのでした。

 「わぁー、よかったわー、これは私が前から読みたかった小説よ!」

 「会員の中の友情が一致したのでした」

 さらに中には手紙が入っていました。

 それは会員の中で彼女に気を寄せていた友達からでした。

 「おめでとうございます!」

 「私たちの友情が一致しました」

 「この手紙を読んでくださっているということは私とあなたが、真の読書の友達である証拠です」
 
 「心ゆくまで読書を楽しんでくださいね」

 「これらの書物は私が10年間かけて収集した特にお気に入りです」
 
 「私の心が通じてとても嬉しい限りです」
 
 「また、読書クラブで元気にお会いしましょうね」
 
 彼女にはにこやかな笑顔が浮かんでいるのでした。

 日曜日の朝の幸せな小箱の出来事でした。

(終わり)