あなたに悪魔のメルヘンカルタをお届けします~ピノキオ編

 いつものように登校して靴箱の小さな扉を開けると、上履きの上に封筒が載っていた。
 ラブレターかな。
 見せてといわれるのもやっかいだし、嫉妬されるのはもっとやっかいだから、気づかれないようにこっそりバッグにしまった。

 読むチャンスもなくて、結局家まで持ち帰ってしまった。
 今日、どこそこで待ってるとかだったらどうしよう。約束をすっぽかしたことになったかなと気をもんだが、中身はラブレターではなかった。

 不思議なカードが2枚と、ふたつに折りたたまれた説明書き。

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これは、悪魔のメルヘンカルタです
邪悪な心に共鳴し、カードを手にした者を呪います
読み札を持つ者に主導権があります
物語を進めるごとに不幸が増すでしょう

直接手渡すことに抵抗があるのなら、拾ったフリをしてみるのはどうですか
相手に邪悪な心があるのなら、きらびやかな絵柄のカードを手にするかもしれません

ついうっかりハッピーエンドになってしまわぬよう
ご武運をお祈りいたします
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『悪魔のメルヘンカルタ』という不穏な名称のわりにはきらびやかなカードだった。

 ――白雪姫か。
 握りつぶしたくなった。
 世界で一番かわいいだって。
 そう思いたくないのに、浮かんだ顔は葉月怜央奈(はづきれおな)だった。

 怜央奈なら間違いなく邪悪な心を持ってる。
 呪いなんてバカバカしいけど。
 試してみる?
 まさかね――