天邪鬼な私に、宣戦布告されました

(颯斗が“振られました”って自分で言ってくれたからだ)

誰も変に気を遣わない。
誰も私を責めない。

空気を守ったのは、きっと颯斗だ。

さっきまで告白していた人とは思えないくらい、
あっけらかんと笑っている。

――ずるいな。

(やっぱり颯斗は、いい人だ)

捻くれていた頃から、それは分かっていた。

言葉が刺さることはあっても、
その奥にあるものは、ずっと誠実だった。

今日、真っ直ぐに伝えられた想い。

逃げ場のない、でも優しい告白。

あれを、なかったことにはできない。

(私も、ちゃんと向き合おう)

今すぐ答えを出さなくてもいい。

でも、目を逸らさない。

天邪鬼だからって、
好きから逃げ続ける理由にはしない。

ちらりと颯斗を見る。

颯斗もこちらを見ていて、目が合う。

今度は逸らさない。

ほんの一瞬、静かに笑い合う。

それだけで、十分だった。