ピピピピ、ピピピピ……。
目覚まし時計のアラームが鳴る。
あと5分だけ……。
わたしは手を伸ばしてアラームを止め、再び夢の世界へ入り込もうとする……けど。
「キャン、キャンッ!」
わたしを起こそうとする元気な鳴き声に、
「んー……だから勝手に入って来ないでって、何度言ったら……」
いつものように注意しようとして、ピタッと止まる。
鳴き声……?
「ハルっ!?」
ハッと気付いたわたしは慌てて飛び起きて、ハルの姿を確認した。
すると、
そこにはパタパタと嬉しそうに尻尾を振って、ベッドに前脚を乗せ、身を乗り出す犬の姿。
この子のことを、わたしはよく知っている。
この子は、
「ハル……?」
放心状態のわたしが名前を呼ぶと、「キャンッ!」と返事をした。
何の予兆もない、いつもの朝。
ハルの姿は犬に戻っていた──。



