「「……」」
電柱の陰、ハルと二人で目を見合わす。
普通に考えて、覗いちゃダメって分かるけど、やっぱり気になる。
どうなったのか、雰囲気だけ……。
自分自身の心に言い訳するように思いながら、わたしとハルはそっと電柱の陰から顔を出した。
向かい合って何かを話す、ふたりの声は全く聞こえない。
だけど、咲ちゃんはうつむいていて、すごく緊張しているように見える。
ダメだったってこと……?
笑顔のないその様子から不安になって、電柱に添えたわたしの手には冷や汗がにじむ。
だけど、その次の瞬間だった。
パッと顔を上げた咲ちゃんは、ものすごく驚いた顔をしていて。
奥野先輩は微笑んで、片手を咲ちゃんの方へ差し出していた。
まって、これって……!!
「は、ハル、ハルっ!」
わたしは興奮のあまり、小声でハルの腕をパシパシ叩く。
咲ちゃんは驚きを隠せないとばかりに顔を手で覆った後、先輩の手を取った──。



