そんなわたしの動揺なんて、つゆ知らず。
「今日は結芽ちゃんの好きなオム……なんだっけ?」
「オムライス?」
「それ!オムライスだって、おばあちゃんが言ってたよ」
いつもと変わらぬ様子で、無邪気に話題を変えて話すハル。
やっぱり『付き合う?』と言ったハルの言葉に、深い意味なんてなさそう……。
ハルに振り回されて、わたしは少しムッとしながらも、「まあいっか」と肩をすくめた。
「おばあちゃんにも心配かけちゃったね……帰ったらごめんなさいって、言わなくちゃ」
話がずいぶん逸れちゃったけど、ハルのおかげで少し前に進めた気がする。
犬のハルももちろん大好きだけど、今の姿のハルがそばにいてくれるから……強くなれる気がする。
「ハル、ありがとね」
少し前を歩くハルを追いかけて、わたしはハルの手を取った。
空にはいつの間にか星々がキラキラと輝いていて。
流れ星は見つけられなかったけど、咲ちゃんの告白が上手くいきますようにと願った──。



