「結芽ちゃん、僕と付き合う?」
わたしの目の前に突然出てきて、ニコニコと無邪気な笑顔で言ったハル。
「えっ……」
思ってもみない言葉に、わたしは思わずドキッとして、真っ赤になった。
付き合う……って。
「な、なに言ってんの!」
「僕は結芽ちゃんのことが好きだよ? 結芽ちゃんは僕のこと好きじゃない?」
「す、好きだけど、ハルとわたしはそういう好きじゃないよ」
「えー、好きの違いとか分かんないよ。僕も結芽ちゃんとふたりでお出かけしたかったのにー」
残念そうに頬を膨らませるハル。
「なんだ……」
おでかけしたかっただけか……なんて。
「ん?」
「えっ、ううん!早く帰ろ!お腹すいちゃった」
自然と自分から溢れてきた言葉にびっくりして、ごまかすみたいに速足で歩き出した。
だって、『なんだ』なんて、何かを期待してがっかりしたみたい。
相手はハルなのにドキドキして、わたしってば一体何を考えてしまってるんだろう。



