「本当にカッコイイのは、百瀬くんだと思うよ。あたしのことをかばってくれたのもそうだし、エリ……あ、坂井のことね。も、ちゃんとフォローして、教室に居づらくないようにしてくれて」
「百瀬くん、すごく良い人だね」と、咲ちゃんに言われて、こそばゆさに赤くなりながらも、嬉しいと思う。
わたしを追って、すぐに帰ってこなかったのは、そういうことだったんだ……。
「百瀬くんて、昔からあんな感じなの?」
「え……」
昔から……と、言われても、この前まで犬だったなんて、とても言えない。
でも……。
「わたしが落ち込んでる時とか、いつもそばにいてくれたかな……」
沙彩ちゃんに『大嫌い』と言われたあの日、偶然ハルを見つけて。
それからは、どんな時も一緒。
他の友達とも上手くいかず、完全に孤立して、落ち込んで帰ってきたわたしに、ハルは寄り添うみたいにそばにいてくれた。
「何それ、エモすぎ!」
口元に手を当て、興奮した様子で目を輝かせる咲ちゃん。
「──っ、わたしのことはいいから!咲ちゃん、頑張ってね」
飼い犬の話だなんて言えるはずもなく、話を戻そうとわたしが言うと、咲ちゃんは少し不安そうな笑顔を浮かべつつ、「うん」と頷いた。



