イケメン男子はわたしのワンコくん!


ハルの言う通りだった。

咲ちゃんと沙彩ちゃんは、全く違う『別の人』。


それなのに、分かっていたはずなのに、わたしってバカだなぁ……。


ホッとして、涙がじわりと浮かんでくる。そんなわたしの様子に、咲ちゃんは「ふふっ」と笑う。そして、


「もうひとつね、結芽に言いたいことがあって」


言いながら薄暗く染まる空を、見上げた咲ちゃん。


「今日の夜、先輩に告白しようと思うんだ」


告白……そっか、告白……って、


「……えっ!?」


わたしが驚いて大きな声を上げると、咲ちゃんは苦笑しながらゆっくりと話してくれた。


今朝、わたしが教室から出て行った後、ハルが坂井さんに、


他人(ひと)の大事なこと、そんな簡単に言っちゃダメだよ』


と、言ってくれたらしい。

いつもニコニコしているハルが、口調こそ優しかったけど、この時ばかりは真顔で。

その様子に少し怯んだ坂井さんが、『私じゃなくて、小林さんがっ』と焦って言おうとしたら、


『結芽ちゃんはそんなことしないよ』


と、坂井さんに静かに返してくれて。