「これっ……」
「ね、別のヒトでしょ?」
ハルの言葉に、手紙をぎゅっと握りしめて、泣きながらこくんと頷く。
文脈から分かる、咲ちゃんがこれっぽっちもわたしを怒っていないこと。
それどころか、わたしの心配をしてくれていて──。
そこでハッと気づいたわたしは、泣いていた顔を慌てて上げる。そして、
「ハル、どうしよう」
ハルの制服の袖を掴んで、身を乗り出して言った。
「わたし、咲ちゃんのこと一人にしてきた」
自分のことばっかりで、気付いていなかった。
朝の教室、あの状況で、きっと一番つらい思いをしていたのは咲ちゃんだったはず。
それなのに、わたしは──……。
さっきとは違う意味で泣きそうになる。
するとハルはキョトンとした後、ゆっくりと微笑んだ。
「咲ちゃんなら、きっと大丈夫だよ」



