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「──ちゃん、結芽ちゃん」
誰かが名前を呼ぶ声と、肩を軽く叩く振動に、ゆっくりと瞼を開く。
「ごめんね、起こしちゃって」
目の前で申し訳なさそうに謝るのはハルで、見慣れたここは自分の部屋。
瞼は重くて、ボーッとする頭の中。
あれ、わたし……。
目覚めた瞬間には忘れていたことを、情報が流れ込んでくるように一瞬にして思い出す。
あの後、そのまま家に帰ったわたしは、自分の部屋に閉じこもって、ひとりで泣いていた。
おばあちゃんが心配して部屋の外から声をかけてくれたけど、何も答えられなくて。
わたし、いつの間にか寝ちゃってたんだ……。
どれだけ時間が過ぎたんだろうと壁掛け時計を見ると、もうお昼を過ぎていた。
「ハル、学校は……?」
「結芽ちゃんが心配で、途中で帰ってきちゃった」
「そっか……」
言いながら、抱えた膝に顔をうずめる。
あれから学校でどうなったのか……ハルはきっと知っているのに、聞くのが怖い。



