イケメン男子はわたしのワンコくん!


***


「──ちゃん、結芽ちゃん」


誰かが名前を呼ぶ声と、肩を軽く叩く振動に、ゆっくりと瞼を開く。


「ごめんね、起こしちゃって」


目の前で申し訳なさそうに謝るのはハルで、見慣れたここは自分の部屋。


瞼は重くて、ボーッとする頭の中。


あれ、わたし……。


目覚めた瞬間には忘れていたことを、情報が流れ込んでくるように一瞬にして思い出す。


あの後、そのまま家に帰ったわたしは、自分の部屋に閉じこもって、ひとりで泣いていた。

おばあちゃんが心配して部屋の外から声をかけてくれたけど、何も答えられなくて。


わたし、いつの間にか寝ちゃってたんだ……。


どれだけ時間が過ぎたんだろうと壁掛け時計を見ると、もうお昼を過ぎていた。


「ハル、学校は……?」

「結芽ちゃんが心配で、途中で帰ってきちゃった」

「そっか……」


言いながら、抱えた膝に顔をうずめる。

あれから学校でどうなったのか……ハルはきっと知っているのに、聞くのが怖い。