「なんで他のひとに喋ったのっ!?」
今度は、はっきりと届いた言葉。
「え……?」
これでもかというほど、ちゃんと聞こえたはずなのに、わたしには言葉の意味が理解できなかった。
「しらばっくれないでよ!結芽が喋ったんでしょ、広瀬くんのことが好きだって」
沙彩ちゃんにそこまで言われて、わたしはやっと疑われていることに気が付いた。
「ま、待って、違うよ。わたし、誰にも言ったりなんか……」
「だって、結芽にしか言ってない!」
わたしの言い分なんて聞かないとばかりに、叫ぶように言った沙彩ちゃん。
その声に、態度に、わたしはとてもびっくりして、動けなくなった。
そして、
「結芽のこと信じてたのに!嘘つき!大っ嫌い!」
投げつけられるみたいに、泣きながら吐き出された言葉。
その言葉が、沙彩ちゃんがわたしに向けた最後の言葉だった。



