上手く言葉に表せない。
だけど、いつもと違う空気を一瞬にして感じた。
主に女子達が一斉にわたし達を見て。
不意に感じた嫌な予感が確信に変わったのは、すぐのことだった。
「あ、おはよう」
何でもないようにそう挨拶して、わたし達の前まで歩いてきたのは……坂井さん。
昨日のことがあって、わたしに何か言いに来たんだと思った。
だけど、坂井さんが足を止めたのは、わたしではなく、咲ちゃんの目の前。
そして、
「咲ってさ、奥野先輩のことが好きなんだね」
「えっ……」
坂井さんは笑顔だけど、咲ちゃんの顔は一瞬にして強張る。
「まさか咲にそんな人がいるなんて思わなかったぁ。言ってくれたら協力するのに」
小声にすることもなく、普通のトーンで言われた言葉。
教室中に響く坂井さんの声に、わたしは一体何が起きているのか理解出来ない。
きっとそれは、咲ちゃんも同じで。



