「えっ!?」
と、思わずわたしが声を上げると、咲ちゃんは「しーっ!」と人差し指を口の前に立てた。
会話の内容が分からず、キョトンとするハル。
「本の話してただけだし、別に何もなかったんだけどね。それでもやっぱり、嬉しいよね」
恥ずかしそうに顔を赤らめながらも、幸せそうな咲ちゃん。
その姿を見ているだけで、何だかわたしも嬉しくなって。
咲ちゃんの恋がうまくいけばいいなって、そう思った──のに。
幸せな気持ちが一転したのは、学校に着いてすぐのことだった。
「そういえば今日は、百瀬くんの周り静かだね?」
そう言った咲ちゃんの言葉の通り、今日はハルの周りに集まる女子が少ない気がする。
寝坊して、いつもより登校時間が遅いから?
いつもなら玄関で待ち受けているはずの坂井さん達の姿もなくて、ほんの少し不思議に思いながら、教室へ向かった。
そして、教室の引き戸を開けて、わたし達が中に入った瞬間──。



