「こら、なに結芽のこと困らせてんの」
わたしを助けてくれたのは、咲ちゃんだった。
「咲には関係ないでしょ?」
「関係あるとかないとかじゃなくて、結芽困ってんじゃん。そういうの、他人に頼むことじゃないと思うよ」
「っ……」
「ほら、あんたの班片付け始めるって」と、咲ちゃんが続けると、坂井さんは何か言いたそうな顔をしながらも立ち上がった。
「咲ちゃん、ありがと」
「ううん、全然」
坂井さんが離れてから、こっこりお礼を言うと、咲ちゃんはニコッと笑ってくれた。
「そういえば、転校してきた日もこうやって助けてくれたよね」
「そうだっけ?」
「うん、すごく嬉しかったから覚えてる」
わたしが微笑んで言うと、咲ちゃんは目をパチパチさせて。
「結芽、ほんっとうに可愛いね」
「はぁー」と大きなため息をつきながら言った。そして、
「ねぇ、結芽は本当に……ううん、ごめん」
何かを言いかけて、咲ちゃんは苦笑しながら首を横に振った。



