イケメン男子はわたしのワンコくん!


「ワタツミサマ……?」


聞き慣れない言葉に首を傾げると、「結芽は初めてだよね」と、咲ちゃんが教えてくれた。


「ワタツミサマっていうのは、7月にあるお祭りのことなの。花火も上がって、この辺では一番大きなお祭り」

「そうそう、ワタツミサマに彼氏と一緒に行くのが、全女子の憧れだよねぇ」

「小林さんはやっぱ、百瀬くんと一緒に行く感じ?」

「えっ、わたしは……どうだろ」


お祭りに一緒に行ける人とか、ハル以外にはいないけど。

ちらっと顔を上げたら、話の内容が聞こえていたのか、会話に入っていないはずの女子達の視線が突き刺さる。

とりあえず、ハルを誘ったらものすごく大変なことになりそうだ……。


そんな周りの状況を、咲ちゃんは察してくれたのかもしれない。


「じゃあさ結芽、予定大丈夫だったら、一緒に行こうよ!」

「えっ、いいの?」


咲ちゃんの言葉に、わたしはパッと顔を上げる。