「そうなんだ……」
わたしは近づいてきたハルをするりとかわして、自分の席へと向かった。
そして、荷物をまとめていると、
「先生の話って、何だったの?」
再び近づいてきたハルが、無邪気に聞いてきて、わたしの手はピタッと止まった。
「……みんなと、もっと仲良くなれるようにって」
いつもなら多分、本当のことなんて言わない。
だけど、自然とこぼれるように出ていた。
「結芽ちゃんはどうして友達つくろうとしないの?みんな、優しい人ばっかりだよ?」
目の前にかがんで、わたしの顔を覗き込むようにして、キョトンと首をかしげるハル。
「っ……」
ハルに悪気なんて、これっぽっちもないことは分かっている。
わたしの気持ちを聞いてくれようとしていることも、分かっている。
だけど、ハルの言葉はわたしの一番痛いところに突き刺さって──。
「ハルにはわかんないよ」
「え?」
「すぐに人気者になれちゃうハルには、わたしの気持ちなんてわかんないよ!」
怒鳴るように吐き捨てて、わたしはカバンを持って教室を飛び出した。



