「僕、野球っていうのもやってみたいんだよねー」
「よし来た!今日の放課後とかどうよ?」
「ちょっと待ってよ男子!私たちだって、ハルくんと遊びたいんだから!」
ハルの周りには男女問わず、もうすごい人だかり。
こうなっちゃうと、放課後一緒に帰るのは難しいかな……なんて、思った時だった。
「小林さん」
聞きなれない声に、パッと顔を上げると、あまり喋ったことのないクラスの女子。
わたしは少しドキッとしながら、「はい」と返事する。すると、
「先生が放課後、職員室に来てって」
「あ、うん……ありが、と……」
わたしが全て言い終わらないうちに、その子はくるっと踵を返して離れて行ってしまった。
なんだ、伝言頼まれただけか……。
何を期待していたわけでもないけれど、遠ざかっていく後ろ姿に、少しガッカリした気持ちになって。
そして、迎えた放課後──。



