こんなに近くにいるのに、ハルはハルのままなのに、勝手に落ち込んで。
そんなわたしを見ていて、ハルはどんな気持ちだっただろう。
自分のこと、否定された気持ちになっていたんじゃないかな……。
『そんな顔してたら、あいつ悲しむと思うよ』
橋本くんの言う通りだと思った。
だって、ハルはどんな時も、
『結芽ちゃんのことが大好きだよ』
そう言って、笑ってくれていたから──。
おしゃべり出来なくても、一緒に学校に行けなくても、人間じゃなくてもハルはハル。
これからもずっと一緒にいられることに、変わりはない。だから……。
わたしはハルに向かってニコッと笑った後、立ち上がる。
「ハル、橋本くんが今度一緒にサッカーしようだって」
「キャンッ!」
わたしが言うと、ハルはまるで返事をするように、尻尾を振りながら一度短く吠えた。



