「笑った顔、かわいいじゃん」
「えっ?」
思いがけない言葉に、今度はわたしが顔を赤くする。
すると橋本くんは、「仕返し」とばかりに「べ」と舌を出して、スポーツバッグを肩に掛け直した。
「あいつに、ハルに、今度一緒にサッカーしようって言っといて」
「それじゃまた学校で」と、軽く手を振りながら背中を向ける橋本くん。
「う、うんっ……!」
わたしは大きく頷いて、手を振った。
『もう一生会えないわけじゃないんだろ?』
『絶対にまた会えるとおばあちゃんは思うわ』
遠ざかる橋本くんの背中を見送りながら、思い出すのはふたりの言葉。
ハルが人間になった意味を考えれば考えるほど、もう二度と会えないような気がしていた。
でもそれは……違うよね。
わたしはハルと目線をそろえるように、その場にしゃがみこむ。そして、
「ハル、ごめんね」
ハルの頬から頸下を撫でながら、謝った。



