今日もハルは犬のまま。
「おばあちゃん、ハルはもう人間にはならないのかな……」
たった一人、ハルのことを話せる人。
晩御飯を食べた後、リビングの椅子に座ったまま、洗い物をするおばあちゃんに問いかけた。
「うーん、どうだろうねぇ……結芽ちゃんは、またハルに人間になってほしいの?」
「……わかんない。でも、またハルと話がしたいなって思う」
わたしの足元で、前脚をペロペロと舐めているハル。
こうしていると本当に犬で、この前までのハルが夢の中の出来事みたいに思える。
こうしてハルがそばにいてくれるだけで幸せ。
学校でも友達が出来て、もう一人じゃないから寂しくはない……のに。
「何で急に犬に戻っちゃったの」
ハルのふわふわな背中を撫でながら、わたしが呟く。すると、
「もしかしたら、ハルは人間になった理由を成し遂げたのかもしれないね」
「人間になった理由……?」
「そう。思い当たる節はない?」
洗い物を終え、エプロンで手を拭きながら問いかけるおばあちゃん。



