人間の姿になったハルと、ずっと一緒にいられると思っていたわけじゃない。
それこそ最初はどうやったら犬の姿に戻るのか、考えていた気がする。
だけど、人間の男の子になったハルと過ごしていくうちに──。
「ただいま……」
朝、目覚めた時と学校から帰ってきた時が、一番ドキドキする。
『結芽ちゃん、おかえりっ!』
ハルの明るいあの声を、今日こそまた聞けるんじゃないかって、ほんの少し期待する。
だけど……。
「キャンキャンッ!」
おばあちゃん家のドアを開けた瞬間、ものすごい速さで走ってきて、押し倒されるくらいの勢いで飛び付いてきたのは……犬のハル。
「ただいま」
改めて言いながら抱き上げると、パタパタと尻尾を振り、わたしの顔をこれでもかと言うほどペロペロ舐めるハル。
「もう分かったってば」
嬉しいけど、くすぐったくて顔を逸らしていると、「おかえり」と、奥からおばあちゃんが出てきてくれた。



