俺たちの青春の半分は恋でできている ~運命の恋って信じてますか?~

「僕としては、今のところサッカーのことしか考えられないんだけど、周りがあまりにうるさくて」

 秋山がうんざりしたような顔で肩をすくめる。


「告られまくってるってこと? いや、さすがだわー」

 そんな贅沢な悩みなら、俺も経験してみたいわ。


「いやいや、秋山くらいのレベルなら『おまえが早く身を固めてくんねーと、オレら彼女できないんだわ!』って方なんじゃね?」


 なるほど、そっちか。

 くぅっ、どっちにしてもうらやましい……!


 好き勝手言う俺らに向かって曖昧な笑みを浮かべたあと、秋山がもう一度口を開く。


「で、向こうは向こうで、自分は恋愛に興味ないのに、友だちが『恋愛しろ』ってうるさいらしくてさ。つまり、利害が一致したってこと」

「ふうん。でもそれさ、相手がウソついてるって可能性はないわけ? 『ウソカノでもいいから秋山くんと付き合いた~い』ってさ」


 俺が女子の声マネを交えてそう言うと、秋山が笑いながら右手を左右に振る。


「ないない。即レスとかムリだから、連絡先の交換もしたくないって言われたくらいだし」

「おー……、それはさすがにガチっぽいな」

「でしょ?」

 そう言って笑う秋山の笑顔が、なんだか寂しそうに見える。


 あれっ? ひょっとして、ウソカノのつもりがガチになってるのって、秋山の方なんじゃね?

 ま、本人にその自覚があるかは不明だけどさ。

 けどまあ、相手も『恋愛お断り!』ってスタンスじゃあ、うまくいくわけないもんなあ。

 一見悩みのなさそうな人間にも、それぞれ悩みはあるってことか。