俺たちの青春の半分は恋でできている ~信じてますか? 運命の恋~

 一位って……今まで県レベルの大会では、入賞すらしたことないのに?


 暗に『諦めろ』って言ってんのか?

 脈なしってことかよ。


「どうせわたしにフラれたら、別の子のとこにすぐ行くんでしょ。わかってるんだからね」

 栞奈が、胸の前で腕を組んで低い声で言う。


「ちがっ、今回のはそんなんじゃ――」

「わたしに信じてほしいなら、そのくらいしてくれなくちゃ、絶対信じないから」

 栞奈の目の端に、なぜか涙が浮かんでいるように見える。


 なんでそんな悲しそうな顔するんだよ。

 悲しませるつもりなんて全然なかったのに。

 栞奈にはずっと笑っててほしいのに。

 なあ、俺、どうしたらいいんだよ。


 ……いや、この場合、俺がすべきことなんて、めっちゃシンプルじゃん。


「わかった。優勝したら考えてくれるんだな?」

 体の横でぎゅっとこぶしを握りしめ、栞奈の顔を真正面からじっと見つめる。


 栞奈がそう言うなら、やるっきゃないよな。


「だっ、だからそう言ってるでしょ?」

 そんな俺の視線から逃れるようにして、栞奈が目を泳がせる。


「絶対だからな」

「もうっ、わかったってば! ほらっ、早く着替えてこないと、練習始まっちゃうよ⁉」

 そう言うと、栞奈はグラウンドの方へと駆けだした。


 絶対だからな。

 覚悟しとけよ、栞奈。