***
あ、陽菜だ。
昼練に向かう途中、中庭でまた陽菜を見つけたんだけど、目が合った瞬間、ぱっと顔を逸らされた。
……そんな露骨に避けなくてもいいのに。
もう赤の他人だから、顔も見たくないってこと?
陽菜の座るベンチの方へと大股で歩いていくと、陽菜の目の前で立ち止まる。
それでもまだ陽菜は顔を逸らしたまま。
「ねえ、なんでこっち見てくれないの?」
「い、いや、だって、別れた二人が仲良くしてたらおかしくないですか?」
「別におかしくないんじゃない? 友だちに戻る場合だってあるわけだし」
「そんなの……友だちに戻るなんて、ムリですよ」
ああ、もうダメだ。
陽菜にはきっと迷惑な気持ちだってことはわかってるけど……。
「そうだね。友だちは、僕もムリかも」
「ですよね! ほら、先輩も――」
「陽菜がそばで見ててくれないと、調子出ないって気づいちゃったからさ」
「……へ⁉」
陽菜が驚いた顔で僕を見る。
「よかった。やっとこっち見てくれた」
自然と笑みがこぼれる。
「ちょっ……か……秋山先輩、そういう冗談はやめてくださいよ」
「冗談を言ったつもりはないんだけどな」
「じゃあ……どういう意味ですか?」
陽菜が、緊張した面持ちで僕を見あげている。
あ、陽菜だ。
昼練に向かう途中、中庭でまた陽菜を見つけたんだけど、目が合った瞬間、ぱっと顔を逸らされた。
……そんな露骨に避けなくてもいいのに。
もう赤の他人だから、顔も見たくないってこと?
陽菜の座るベンチの方へと大股で歩いていくと、陽菜の目の前で立ち止まる。
それでもまだ陽菜は顔を逸らしたまま。
「ねえ、なんでこっち見てくれないの?」
「い、いや、だって、別れた二人が仲良くしてたらおかしくないですか?」
「別におかしくないんじゃない? 友だちに戻る場合だってあるわけだし」
「そんなの……友だちに戻るなんて、ムリですよ」
ああ、もうダメだ。
陽菜にはきっと迷惑な気持ちだってことはわかってるけど……。
「そうだね。友だちは、僕もムリかも」
「ですよね! ほら、先輩も――」
「陽菜がそばで見ててくれないと、調子出ないって気づいちゃったからさ」
「……へ⁉」
陽菜が驚いた顔で僕を見る。
「よかった。やっとこっち見てくれた」
自然と笑みがこぼれる。
「ちょっ……か……秋山先輩、そういう冗談はやめてくださいよ」
「冗談を言ったつもりはないんだけどな」
「じゃあ……どういう意味ですか?」
陽菜が、緊張した面持ちで僕を見あげている。



