俺たちの青春の半分は恋でできている ~信じてますか? 運命の恋~

***


 あ、陽菜だ。


 昼練に向かう途中、中庭でまた陽菜を見つけたんだけど、目が合った瞬間、ぱっと顔を逸らされた。


 ……そんな露骨に避けなくてもいいのに。

 もう赤の他人だから、顔も見たくないってこと?


 陽菜の座るベンチの方へと大股で歩いていくと、陽菜の目の前で立ち止まる。

 それでもまだ陽菜は顔を逸らしたまま。


「ねえ、なんでこっち見てくれないの?」

「い、いや、だって、別れた二人が仲良くしてたらおかしくないですか?」

「別におかしくないんじゃない? 友だちに戻る場合だってあるわけだし」

「そんなの……友だちに戻るなんて、ムリですよ」


 ああ、もうダメだ。

 陽菜にはきっと迷惑な気持ちだってことはわかってるけど……。


「そうだね。友だちは、僕もムリかも」

「ですよね! ほら、先輩も――」

「陽菜がそばで見ててくれないと、調子出ないって気づいちゃったからさ」

「……へ⁉」

 陽菜が驚いた顔で僕を見る。


「よかった。やっとこっち見てくれた」

 自然と笑みがこぼれる。


「ちょっ……か……秋山先輩、そういう冗談はやめてくださいよ」

「冗談を言ったつもりはないんだけどな」

「じゃあ……どういう意味ですか?」

 陽菜が、緊張した面持ちで僕を見あげている。