俺たちの青春の半分は恋でできている ~信じてますか? 運命の恋~

 そんで、律儀に本当に家まで送ってきたと。


 ……なんだよ、それ。

 オレがそれでいったい何日悩んでたと思ってんだよ。


 思わず「はぁ~~~~」と大きなため息が出る。


「ということで、一応ちゃんと伝えたから。くれぐれも誤解したままウワサを広めないでね」

「別に広めないっすよ」


 こんな知らないヤツのウワサ広めてどうすんだよ。ったく。


 ……いや、違うな。

 多分、オレのために真相を伝えに来てくれたんだ。

 オレが誤解したまま咲希を諦めなくていいように。


 ……なんだよ、他人の心配ばっかして。大人の余裕かよ。


「それじゃあ」

 そう言って踵を返した三宅さんの背中に、「あのっ!」と思わず声をかける。


「うん?」

 三宅さんが、立ち止まってオレの方を向く。


「その……三宅さんの恋、うまくいくといいっすね」

「ありがと。祈っといて。僕も君のを祈っておくから」

 にっこり笑ってそう言い残すと、三宅さんは駅の雑踏に紛れて行ってしまった。


 オレに会えるとも限らないのに、わざわざ来てくれたんだよな。

 なんつーか、ほんと律儀な人だよな。


 それに比べて今のオレは、自分のことしか考える余裕ないし、小さいことでくよくよ悩んでばっか。

 もうちょっと三宅さんみたいな大人の余裕? ってヤツを手に入れたいって切実に思う。


 けどさ……しょうがないじゃん。

 今のオレにはどうにもできねーんだから。

 だったら――。


 三宅さんの背中を見送ったあと、オレは家に向かって全力で駆け出した。