俺たちの青春の半分は恋でできている ~信じてますか? 運命の恋~

「あ、ねえ、君――」

 突然聞き慣れぬ声に呼び止められ、足を止めて振り返る。


「げっ」

 思わずそんな声が出る。


 なんでこいつがこんなとこにいるんだよ。

 咲希のストーカーか?


 ニコニコしながらオレの背後に立っていたのは、この前咲希を家まで送ってきていた男――三宅だった。


「ひょっとして君、倉橋さんのお隣さんの海斗くん?」


 お隣さん……か。


「まあ、そうっすけど」

 胸がチクリと痛むのは気づかないフリをして、さらっと返す。


「オレになんか用っすか?」

「あー、ごめん、ごめん。自己紹介してなかったよね。僕は――」

「三宅さん、っすよね。咲希とおんなじバイトの」

「ああ、知ってるんだ。ならよかった」

 そう言って、三宅がホッと胸をなで下ろす。


『ならよかった』?

 なにがだよ。

 ケンカ売ってんのか?

 女にはモテるんかもしんねーけど、なんとなくムカつくヤツだな。


「この前すれ違ったとき、僕のことすごく睨んでたでしょ、君」


 ……オレが?

 牽制された覚えはあるけど、睨んだ覚えなんかねーんだが。


「あ、ひょっとして自覚なかった?」

 クスクス笑いながら三宅が言う。


「それで気づいたんだけどな。君がウワサの海斗くんだって」

「なっ……ウワサって、いったいなんなんすか」


 なにが言いたいんだよ、マジで。


「それは……ごめん。僕の口からはちょっと言えないかな。倉橋さんに直接聞いてもらえる?」