俺たちの青春の半分は恋でできている ~信じてますか? 運命の恋~

 咲希はそう思ってても、向こうはどうなんだよ。

 あのすれ違いざまにオレに向けた目は、ぜってーオレのことを牽制してた。

『俺の女に手ぇ出すなよ』って声が聞こえてきそうだった。

 そのくらい、恋愛経験の浅いオレにだってわかる。


 それに、オレなんかよりも全然お似合いだって正直思った。

 放っておけば、アイツがいつか咲希に告白して、付き合って……ひょっとしたら、そのまま結婚、なんてパターンもあるかもしれない。

 三つも年下のオレなんかじゃ、まったく勝ち目がねえ。


「あー……そういやノート買って帰んなきゃいけないんだったわ。悪い、先帰っといて」

 そう言いながら、くるりとUターンする。


「うん、わかった。気をつけてね」

 背中で咲希の声を聞きながら、大股で来た道をずんずん戻っていく。


 はー、ガチで情けなさすぎ。

 春田のこと、全然笑えねえわ、これ。

 頭の中は、あの男と咲希の楽しそうな笑顔でいっぱいだ。


 けど。それでいいんだ。

 咲希が笑っていてさえくれれば。

 その相手は、オレじゃなくたっていい。


 だってオレは、咲希のことが大好きだからさ。


 この長年の片想いも、そろそろ諦めなきゃだよな。