俺たちの青春の半分は恋でできている ~運命の恋って信じてますか?~

「俺もおまえのことは尊敬している。あんな衆人環視の中で告白するとは、意外と度胸があるんだな」

「しゅ……⁉ マジで⁉ そんなに見られてたのかよ」

 情けない声で叫んで頭を抱える。


 誰にも見られてないつもりだったんだけど。

 ……まあ、栞奈にはしっかり見られてたわけだけどさ。

 けど、それだけだと思ってたぞ、今の今まで。


「まあ、あれだ。一回くらいフラれたからって、そんな気にすんなって」

「そうだよ。きっと春田くんにピッタリの子が他にいるはずだよ」


 夏目と秋山からの慰めの言葉がグサグサと胸に突き刺さる。


「……十回目なんだけど」

「え? ごめん、よく聞こえなかったんだけど」

 ぼそぼそと口の中でつぶやく俺の方に、秋山が耳を傾ける。


「だから……フラれたの、十回目なんだけど、俺ぇ!」

「お、おー……そっか、そっか。まあ、そんなこともあるよな」

 夏目がかわいそうなものを見るような目で俺のことを見る。


「そんな目で見んなよお!」

 思わず両手で顔を覆う。

「自慢じゃないけどさ、小学校んときなんか、足速いってだけでけっこーモテたわけ。けどさ、いざ彼女ほしーなーって歳んなってみると、足速くたって『それが?』って感じじゃん? それ以外の取り柄なんて俺なんもないし。だったらどうすりゃいいんだよ」

「そういや春田って陸上部だっけ?」

「去年表彰されてたよね。じゅうぶんすごい特技だと思うけど」

「マジで⁉ それ普通にすげーじゃん」

「所詮県大会止まりだけどな。俺より速いヤツなんて、普通に数えきれないくらいいるし」