俺たちの青春の半分は恋でできている ~運命の恋って信じてますか?~

「冬島は? なんかおもろいネタ持ってねーの?」

 ずっと本に目を落としたままの冬島に、夏目が話を振る。


 おー、そこで冬島に行けるのか。

 意外とチャレンジャーだな、夏目。


 風紀委員長の冬島は、生徒規範が具現化したみたいに、いつでもキッチリ制服を着込んでいる。

 校門前で、あのすっと背筋の伸びた立ち姿を見ると、こっちまで背筋をびしっと伸ばさなきゃって気になるんだよな。

 悪いことをしてるわけじゃないのに、冬島が通りかかっただけで妙にドキドキしたり。


 ……そうか、あれだ。

 街中で、巡回中のおまわりさんやパトカーに出くわしたときみたいなドキドキ感。あれに似た感じだ。


 パタンッと本を閉じた冬島に、思わずビクッとする。


 ほらほらほらほらぁ~。読書を邪魔されて怒ってんじゃね?


「ごめんな、読書の邪魔し――」
「おもしろいネタかはわからんが、付き合っているヤツならいる」

「……へ?」

 俺の口から間抜けな音が出る。


「おー、マジかよ! で? 相手、誰? オレらの知ってるヤツ?」

 夏目が興味津々で身を乗り出す。


「同じクラスの如月(きさらぎ)望愛(のあ)

「「「如月望愛⁉」」」

 三人の素っ頓狂な声が重なる。


 いやいやいやいやマジかよ。

 如月って風紀委員とは完全に敵対関係だろ。